情報資産とは?適切な管理方法を解説
情報資産とは、企業が集めた「ヒト・モノ・カネ」に関係する情報のことです。集めた情報には、非常に高い価値があるため、適切に管理しなければいけません。
本記事では、情報資産についての詳細を解説します。適切な管理方法や重要なポイントもあわせて参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.情報資産とは企業が集めた情報のこと
- 2.情報資産の具体的な例
- 3.情報資産の管理方法(2種)
- 4.情報資産を管理するうえで考えられる2つのリスク
- 5.情報資産のリスクアセスメントの手順3つ
- 5.1.1.情報資産の洗い出しを行う
- 5.2.2.情報の価値を把握する
- 5.3.3.セキュリティ対策を実施する
- 6.情報資産を守るうえで重要な3つのこと
- 6.1.1.社員のリテラシーを高める
- 6.2.2.情報の保存先を適切に管理する
- 6.3.3.動作ログを管理する
- 7.情報資産をより守るための3つのポイント
- 7.1.1.社内全体で情報を共有する
- 7.2.2.セキュリティ体制を構築しておく
- 7.3.3.セキュリティに関する誤解や思い込みをなくす
- 8.まとめ
情報資産とは企業が集めた情報のこと
情報資産とは、企業が収集した「ヒト・モノ・カネ」に関するすべての情報のことです。情報は収集する際に労力やコストがかかるだけではなく、利用することで財産的な価値が発生します。そのため、情報の管理媒体を問わず、適切に管理しなくてはいけません。
また、情報は種類によって重要性が異なります。例えば、個人を特定できるような個人情報は厳重に管理する必要がありますが、インターネット上に公開されている情報は個人情報ほどの重要性はないといえるでしょう。
つまり、情報資産はその重要性に応じて適切に管理する必要があります。
情報資産の具体的な例
情報資産の具体的な例は、以下のとおりです。
- 個人情報や購入履歴などの顧客情報
- システムに関するIDやパスワード
- 商品の仕入れ先や販売先に関する情報
- 自社の人事に関する情報
- 他社と交わした契約書
以上のように、企業が集めたさまざま情報が、情報資産に該当します。また、情報資産には、形があるものだけでなく、ブランドや企業が持つイメージのような形のないものも含まれます。
情報資産の管理方法(2種)
情報資産を管理する方法は、以下の2種類です。
- クラウドやサーバーを活用する管理方法
- 情報資産管理台帳を活用する管理方法
情報資産は先述のとおり、個人情報など厳重な管理が求められている情報も含まれていることから、管理方法にも注意する必要があります。ここでは、情報資産を管理する方法について詳しくみていきましょう。
1.クラウドやサーバーを活用する管理方法
情報資産の管理方法1つ目は、クラウドやサーバーを利用する方法です。情報資産をクラウドやサーバーで管理すれば、インターネット上でデータとして情報を管理できます。
ただし、データとして管理する場合は、セキュリティ対策が重要です。情報にアクセスできる従業員を制限したり、社外からの不正アクセスを防止したりする必要があります。
また、クラウドやサーバーを活用する際は、定期的にバックアップを行いましょう。データの更新頻度を考慮したうえで、バックアップ体制を整えておくと安心です。
2.情報資産管理台帳を活用する管理方法
情報資産の管理方法2つ目は、情報資産管理台帳を利用する方法です。情報資産管理台帳とは、企業が集めた情報資産をまとめてリスト化したもののことです。情報資産を管理台帳に記載していき、各情報を分類して管理します。
情報を分類する際に必要な情報の例は、以下のとおりです。
- 管理している部署
- 保存先や媒体名
- 重要性
- 情報の登録日
- 保存期間
情報資産台帳を作成しておくことで、どこにどのような情報を保存しているのかを把握しやすくなります。なお、情報が更新された場合は、情報資産管理台帳に記載した内容も最新の状態にしておきましょう。
情報資産を管理するうえで考えられる2つのリスク
情報資産を管理するうえで考えられるリスクは、情報漏洩とサイバー攻撃の2つです。さまざまな情報がデータ化されたことによって、情報漏洩やサイバー攻撃のリスクは増加しています。
そのため、情報資産を管理する際は、2つのリスクについて理解を深めておくことも重要でしょう。ここでは、情報資産を管理するうえで考えられるリスクについて解説します。
1.情報漏洩
情報資産を管理するうえで考えられるリスクの1つ目は、情報漏洩です。これまで紙媒体で管理していた情報もデータ化されていることから、情報漏洩のリスクは高まっています。
そして、情報漏洩が発生した場合、単に情報が外部に漏れるだけではなく、第三者に不正利用されるリスクもあるでしょう。そのため、情報資産を管理する際は、情報が漏れないように厳重に管理する必要があります。
2.サイバー攻撃
情報資産を管理するうえで考えられるリスク2つ目は、サイバー攻撃です。さまざまな情報をデータ化していることから、企業を狙ったサイバー攻撃も増えています。
具体的には、実在する企業名に似せたドメインを使用して、従業員にメールが送られてくる手口などがあります。気付かずにメールを開いてしまうと、従業員のパソコンがウイルスに感染してしまいます。
そのため、情報資産は常に狙われていると意識しながら管理することが重要だといえるでしょう。
情報資産のリスクアセスメントの手順3つ
情報資産のリスクアセスメントの手順は、以下の3ステップです。
- 情報資産の洗い出しを行う
- 情報の価値を把握する
- セキュリティ対策を実施する
リスクアセスメントを実施する際は、「どのような情報資産を持っているのか」を把握することから始めましょう。最初に必要な情報を洗い出すことで、適切な管理を行えるためです。ここでは、情報資産のリスクアセスメントの手順を解説します。
1.情報資産の洗い出しを行う
まず、自社はどのような情報を持っているかを把握するために、情報資産の洗い出しを行いましょう。
情報の洗い出しは、業務ごとに行うのがおすすめです。例えば、事務に関する情報資産の洗い出しをしたい場合は、事務を担当している従業員に洗い出しを依頼します。担当者が行うことで、通常業務で取り扱っている情報を漏れなく洗い出すことができ、効率よく情報を集められます。
情報を洗い出す際の要素は、以下のとおりです。
- 情報資産名
- 利用場所
- 保管場所
- 保管形態
- 重要度
業務ごとに情報を集めたら、一括で管理できる部署に提出するような流れを組むことで、社内全体の情報資産を効率よく把握できます。
2.情報の価値を把握する
次に、集まった情報の価値を把握していきましょう。情報資産の価値は、以下の3つの項目で決定されます。
- 機密性(Confidentiality):情報漏洩が発生した場合の影響度を示す
- 完全性(Integrity):情報が改ざんされた場合や装置が正確に作動しなかった場合に考えられる影響度を示す
- 可用性(Availability):情報や装置が利用できない場合の影響度を示す
これら3つの項目は、頭文字を取ってCIAと呼ばれています。CIAをそれぞれスコア化することで、情報にどれほどの価値があるのかを判断することが可能です。基本的には3~4段階で評価し、乗算値で価値を決定します。
3.セキュリティ対策を実施する
情報の価値を把握できたら、どのようなセキュリティ対策を講じればいいのか検討して実施していきます。
リスクアセスメントは、一度行えば終了というわけではありません。なぜなら、情報資産は常に変化しており、脅威や脆弱性も増しているからです。そのため、定期的にリスクアセスメントを行って、適切な管理が行われているかチェックすることが大切です。
情報資産を守るうえで重要な3つのこと
情報資産を守るうえで重要なことは、以下の3つです。
- 社員のリテラシーを高める
- 情報の保存先を適切に管理する
- 動作ログを管理する
情報資産を守るためには、情報資産以外にも目を向けることが重要です。情報資産を適切に管理していなければ、情報漏洩やサイバー攻撃のリスクも高まるでしょう。ここでは、情報資産を守るうえで重要なことについて解説します。
1.社員のリテラシーを高める
情報資産を守るためには、社員のリテラシーを高めておきましょう。情報資産を適切に管理する体制を整えたとしても、社員のリテラシーが低ければ情報は守れません。
例えば、情報資産を持ち出す場合は「誰が」「いつ」「何の目的で持ち出すのか」を記録するのもよいでしょう。社員のリテラシーを高めておくことで、人的ミスによる情報漏洩のリスクを低減することができるため、情報資産をより守りやすくなります。
2.情報の保存先を適切に管理する
情報資産を守るためには、情報の保存先を適切に管理しましょう。情報を保存できる場所はパソコンやスマートフォン、紙などさまざまです。そのすべての保存媒体を確認することで、どのような情報が保存されているのかを把握しやすくなります。
情報資産が適切な保存先に管理されていなければ、情報漏洩のリスクが高まります。例えば、廃棄予定のパソコンやスマートフォンに、顧客の個人情報が残ったままの場合は危険です。
特に、何の情報がどこに保存されているかわからない場合は対処のしようがなくなってしまうため、情報の保存先を適切に管理することは重要といえるでしょう。
3.動作ログを管理する
情報資産を守るためには、データや情報の移動、保存などの動作ログを管理することも重要です。動作ログを管理していれば、不正な動きがあった場合に把握しやすくなります。
すべての動作ログを管理する必要はありません。しかし、重要度の高い個人情報や社外秘のデータなどは動作ログの管理を行うべきでしょう。また動作ログと同時に、データへのアクセスや閲覧の権限に制限を設けることも必要です。
情報資産をより守るための3つのポイント
情報資産をより守るためのポイントは、以下の3つです。
- 社内全体で情報を共有する
- セキュリティ体制を構築しておく
- セキュリティに関する誤解や思い込みをなくす
情報資産をより守るためには情報を社内全体で共有し、従業員全員に当事者意識を持たせることが大切です。
そして、セキュリティ体制を構築しておけば、よりスムーズに問題を解決できるでしょう。ここでは、情報資産をより守るためのポイントを解説します。
1.社内全体で情報を共有する
情報資産をより守るためには、セキュリティに関する情報を社内で共有することが大切です。例えば「セキュリティ対策は専門の部署が行っているから関係ない」と考える従業員がいるかもしれません。
しかし、誰もが情報漏洩やサイバー攻撃のリスクを背負っていることを認識しておく必要があります。そのため、セキュリティインシデントやサイバー攻撃などの情報を社内全体で共有し、危機意識や当事者意識を持ちやすい仕組みを作ることが大切です。
2.セキュリティ体制を構築しておく
情報資産を守り続けるためには、セキュリティ体制を構築しておきましょう。例えば、情報システム部があっても、自分から連絡する手段がなければ緊急時に適切な対応が取れません。
「すぐに対応してもらえていたら、セキュリティインシデントに至らなかった……」という事態が発生してしまう可能性もあります。そのため、誰でもセキュリティ担当者へ連絡できる社内でのセキュリティ体制を整えておくことが重要です。
3.セキュリティに関する誤解や思い込みをなくす
情報資産を守るためには、セキュリティに関する誤解や思い込みをなくすこともポイントです。
例えば、情報資産のみならず、セキュリティに関することは難しいと考える人も多いでしょう。実際、セキュリティ対策は専門知識を必要とするため難しく、誰しもがマスターできることではありません。
しかし、「不審なメールは開かない」「勝手にデータをコピーしない」など、誰もが行えるセキュリティ対策もあります。情報資産に関わるすべての人が当事者意識を持って、できる対策から行っていくことが何よりも重要です。
まとめ
情報資産とは、企業が集めた「ヒト・モノ・カネ」に関する情報のことです。個人情報やシステムに関する情報、企業との契約書など、あらゆるものが情報資産に含まれます。
情報資産を守るためにはセキュリティ体制を構築したり、誤解や思い込みをなくしたりすることが重要です。すべての従業員が当事者意識を持つことで、情報資産を守りやすくなります。
情報資産のリスクアセスメントの第一歩として、まずは情報資産の洗い出しから行っていきましょう。そこで役に立つのがP-Pointerです。
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